タップスイッチ [SONEX再生計画]
オリジナルのSONEX CUSTOM/STANDARDにはアウトプットジャックの脇にタップ用のミニトグルスイッチが1個付いています。
それは国産のサトーパーツ製で、残念ながら機械的な耐久性に問題があり、中古SONEXではすでに交換されている場合が多々あります。
今回修復中のSONEXはというと、入手時点ですでにミニトグルが増設されており、ピックアップごとのタップ+フェイズ切り替えで合計3個になっていました。
使われていたのは3個とも同じで、米国C&K社の#7201という定番のものです。見かけは国産品と殆ど変わりません。
これを日本で買うと1個1000円以上もするので、試しに再生してみます。
ミニトグルスイッチは一般的に過熱厳禁(半田付けは2回まで)です。こんな火災に遭ったパーツをリサイクルするなど言語道断ですね。
といいつつ、長時間熱を加えないように注意しながら古い配線を外しました。
こういうときダイソーのオモチャ万力がそれなりの仕事をします。
3個ともパチパチ切り替わり、動作には問題がないようです。
自分の技術レベルを冷静に判断し、スイッチ本体の分解は断念しました。無水アルコールをレバーの隙間から注入して汚れを洗い流して、さらにカチカチやって接点を回復させました(ほんとに効果あるの?)。
テスターで調べると電気的には問題なくON-OFFしています(ちなみにこのスイッチはON-ONタイプです)。
しかし、楽器パーツとして使えるかどうかは別の話です。
こればかりは実際に回路に組み込んでアンプに繋げてみないとわかりません。
弦アースの裏技 [SONEX再生計画]
音出し実験 [SONEX再生計画]
エレキギターに弦を張ったら、やはり、音のほうも聴いてみたくなりますよね。しかし、このギターの主だった電装パーツはすでに廃棄してしまいました。
というわけで、手持ちのピックアップを仮設してみました。
ほんとに実験だけなので、テープでペタペタ貼り付けただけ。
ワニぐちコードでシールドに接続して・・・この時、直に噛ますのは難しいのでジャックを使います。
弾いてみたらば・・・・
それより、私の手、こうやってみるととても日本人とは思えない色です(笑)。
うーん、SONEX恐るべし。ゾンビのようなギターです。
この状態でちゃんと鳴っています。しかも、かなりまともな音です。
次回からいよいよ最終段階。電装の復元作業に入ります!!
弦を張ってみた [SONEX再生計画]
私のSONEXは4年半ぶりにネックが付き、弦を張れるまでに復活しました!
ただし、センター出しの前なのでネックは仮止めです。
ハードウェアも準備完了!
弦はネック調整と張力テスト用なので、普段は使わないヘビーボトムのアニーボールをチョイス。
もちろん特売品(ばったもん)です。
センターを出してネックの本締め完了。
ピックアップがまだセットされていないので、ギター全体のバランスでネック位置を決めました。
やはり弦があるとギターらしさ倍増ですね。
これからしばらく放置してネックのあばれをチェックします。
これは特に難しい話ではなく、毎日チューニングして、ちょこっと弾いて、を繰り返すだけです。
しかし、今は言及を避けますが、生音がSONEXではない。やはり・・・・だめか?
ハードウェア取り付け準備 [SONEX再生計画]
テールピースのスタッドアンカーの抜き方というのは当ブログの人気記事でして、とても多くの方にアクセスしていただいてます(感謝)。
ところが今回はアンカーを抜くのを断念しました。
なぜなら、当地にミリ規格のボルトを売っていないからです。SONEXはギブソン社製と言いつつ、金属パーツは日本製なんですよね。アンカーボルトそのものでも工夫をすれば抜けると思いますが、なにせSONEXは樹脂製ボディーでさらに火災に遭っているということで、無理に抜くと何が起こるかわからないので危険は冒しません。
というわけでスタッドアンカーはそのまま使います。
例によって穴の内側の汚れを落とします。汚れ=臭いですので。
ブリッジ高調整のサムナットもかなり錆びています。特に片面に集中して黒サビが出ています。
これは被災する前からだったかなあ。
こちらのカー用品店では普通にネバーダルを売っています。これ一度使ってみたかったんです(安いものですが、ちょっとでかくて買うのに躊躇していました)。
結論として、これはクロームめっきの艶出しにしか使えませんね。
確かにNEVR-DULL(NEVERではありません)というのは、「決して曇らない」とかそういう意味で、サビを落とすという効果では微妙な商品です。「removes rust」って書いてあるんだけど・・・
ネックの取り付け [SONEX再生計画]
ネックの調整が一段落したので、クリーニングが先に終わっているボディーと合体です。
このCUSTOMはネック装着前に塗装がされているタイプですね。
後年、SONEXはコストダウンのためにネック装着後に塗装が行われました。
このギターを組み立てたのはJohnさん?
なんだかんだ言っても、SONEXは本当にMADE IN USAだったんですね。
ネックジョイントスクリューはきれいなもんです。
さびもなければ頭のササクレもなし。ボルトオンだからといって意味もなくネックを外したりしないでくださいね。素人が外していないかマニアはここを重点的に見ています(笑)
ネック本体のハードメイプルが乾燥しきっているためか、非常にネジが硬いです。
均等にスクリューを締めていく作業は慎重に。
言うまでもありませんが、対角線上のネジで締めていきます。
このものすごい隙間はもともと・・・だよね?
ぴったりしていないことが、時にありがたいこともあります。
特に今回みたいに、あちこち縮んだり伸びたりした時に。
まだ、最後の締め込み前です。が、どうにか面と面で合体できました。
ネックがボディーとまったく合っていないように見えるのは、ご愛嬌。もともとこんなですから。
この細いネックは重たいSONEXのボディーを支えるのにはちょっと強度不足です。こんなにベンドしたかなあ。もう他のSONEXのCUSTOM80がないから比較できなくなってしまいました。
トラスロッドカバー [SONEX再生計画]
ペグの装着 [SONEX再生計画]
ペグはSONEXのオリジナルをそのまま使います。可もなく不可もなくといったもので評判は悪くないです。ロゴはありませんが、あの国産メーカー製ではないかと噂されています。
本来の精度はもう出せないかもしれませんが、とりあえずチューニングはできそうです。
ペグは油漬けで保存してありました。
ところが、もう随分時間が経ったのに、まだ、火災の臭いがどこかに残っています。
こういうカプラーの内側とか見えないところに、まだヤニか何かがこびりついているんです。
黄色の汚れが付いてくるところは臭うので丁寧に拭き取らなければなりません。
こちらで潤滑油といえばWD-40です。最新式のものはフレキタイプのストローノズル付です。
折畳むと普通のスプレーノズルになります。
これは素直にすごい。CRC-556のようにストローをいちいち差し込む必要はありません。
で、ペグ装着用のモクネジも油に漬けておくと油が黄色くなります。ここにも臭いの元が・・・・
先日、チコちゃんが言っていたようにプラスネジの頭には本当に汚れが溜まるんです!
ペグの取り付けそのものは特にここで説明することはありません。
元穴をそのまま使って装着するだけです。
ただ、SONEXはペグの向きがもともといい加減なので、なるべく6個が揃って平行になるように、ここで微調整をしています。
その時、ボタンをこの向きにするとレベルを出しやすくなりますよ。
サイドポジションマーク [SONEX再生計画]
ネックがヤバいんだよね [SONEX再生計画]
1980年製カスタムの指板はなんとエボニーです。
エボニーは緻密で硬いと一般に言われていますが、それでは収縮性はどうなのでしょうか?
火災の高温で、こうなりました。
あちこちにひび割れができました(黒くて良く分かりませんね)。
完全に水分が飛んだんでしょうね。
もはやトリートメントで戻るレベルではありません。
ただし、そのままでは湿気を吸いそうなので、オリーブオイルを摺り込んで保湿してあります。
指板のエボニーに比べて、ネック本体のメイプルは殆ど縮みませんでした。全体として反りもねじれも無し。凄いぞ、メイプル3ピースは!
ただし、サイドの本体と指板の接合面にちょっとした段差ができております。
しかし、さらに驚いたのはフレットが縮んでいることです。明らかに短くなっています。そして、ところどころで浮きが見られます。それでも、そこまで酷くもないなあというのが、まあ率直な感想です。
そして、前にお見せしたと思いますが、サイドポジションマークがすべて飛び出して、すでに無くなったものもあります(この画像では全て抜いてあります)。
ネックはいろいろと細かい被害が出ていて、昔の状態にはもう戻りそうもありません。さあ、どうしたもんか・・・