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離島のおもてなし [海外隠遁生活日記]

すごい離島出張シリーズ最終回です。

現在、これらの離島に住民はほとんどいません。一番人口の多い島で5世帯くらい。あまりに遠隔で生活が成り立たず大多数の島民は首都に移り住んでいます。なので、今回一緒に行った人たちは里帰りが目的です。島に残る家族や親戚に生活物資を届けてあげるのです(船は年に数回しか運行しません)。今回私は仕事で同行したわけですが、いったい何をして来たのでしょうね??

さて、島のカワイコちゃん、一般的なミクロネシア人とは顔立ちがちょっと違います。
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明らかにインドネシア系の血が濃く混じっています。そして、びっくりするほど愛想が無いです(笑)。

この地方の文化を語るうえで外せないのがウミガメ食です。ここに人が定住できたのはたくさんのウミガメと海鳥がいたからでしょう。この無人島に漂着して何も道具が無くても食材の確保には困らなかったと思われます。

で、今回我々が訪問するにあたり、島民はウミガメ料理で歓迎してくれました。
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もちろんさっきまで生きていたカメです。体内卵が見られるので産卵のために島に来遊していたお母さんガメですね。

久しぶりに屠殺の現場に立ち会いました。カメは逝ってしまうとすっと目を閉じるんです。何度見てもかわいそうです。この感情が普段の我々の生活には欠落しています。スーパーに並ぶパック入りの牛肉をみて、もはやおいしそうとかいう感想しかないのが現在人です。この肉は命と引き換えのものだということを。見えないところでその作業が行われていることを。

ここでは、すでに日常的にウミガメを食べることは無くなっているようですが、その調理法をみると、「ムダは一切出さない、食べ尽くす」という彼らの生存のためカメ食であることが分ります。

女性たちが腹甲の内側に残る肉片をこそげ落としています。
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すると人々が群がって来ました。もう待ち切れずバクバク食っています。
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今作っていたのは「ウミガメのたたき」です。ユッケにそっくりです。
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カメの体内にあるゼラチン?を混ぜてコクを出しています。このゼラチンが緑色なので英名でグリーンタートル、日本ではアオウミガメと呼ばれているのです。外側から見て茶色か黒のカメなのになんでアオウミガメかという理由がお分かりかと。昔から西洋人にも食されてきたのです。

解体した甲羅は肉片をこそげ落とし、内臓と血を混ぜてそのまま火にかけます。血が固まってきたところでウミガメの血のスープができ上がります。
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血はそのまま生で飲むこともできますが、現代人がこれをやると痛風が出るそうです。

ランチができ上がりました。
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消化管の炒め物、ステーキ(レアとウェルダン)、タロイモ、それから米をヤシの樹液で炊いた甘いご飯(インドネシア風ですね)。ステーキは高級な赤身の牛肉といった感じでとても美味です。

ヒレや頭や骨は船に持ち帰り晩飯にスープを作りました。体内卵はゆで卵(固まりませんが)に、余った肉や腸管は塩干しにして保存しました。本当に無駄なく命を頂きました。ごちそうさまでした。


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