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離島の離島出張記3.砂絵 [海外編4]

仕事を終えて、夕方の砂浜を散策していたら、

ん?ん?これは・・・・一瞬、エロい落書きに見えたオイラは相当な俗物。
P1030590.jpg
じっくり見れば見るほど、やっぱエロい。しかし、落書きにしてはずいぶんアートっぽい。

すると近くでニコニコしながらこちらを見ていた青年が突然砂に絵を描き始めました。
sanddraw.jpg
いわゆる一筆書きでするすると描いていきます。あまりの手際よさに思わず動画を撮ってしまいました。

これが噂では聞いたことのある砂絵だな!確かにすごい!

「じゃあ次はオイラの好きなカメの絵を描いてよ」って、この面識の無いお兄ちゃんに頼んでみたらば・・・

彼は黙ってささっと砂を均しまして・・・
P1030592.jpg

すぐに描き始めました。
P1030593.jpg

はじめに基礎となる升目を描いて、あとは一筆書きで一気です。途中で手が止まることはありません。
ava.jpg
頭の中にしっかりと設計図がある感じで全然迷いがありません。

お願いしたカメはものの2分で描き上がりました。
P1030594.jpg
絵としてはそれほど似てはいませんが、砂浜で見るとかなりリアルで背筋がゾクゾクッとしました。

彼にはよくお礼を言ってその場を立ち去りました。彼は何かを言おうとしていましたが何を言っているのかは分りませんでした。

そして、その話を村の人にすると・・・・

彼はろうあ者。つまり音が聞こえないし、言葉を発することもできないのだそうです。

その代わり、砂絵に天性の才を発揮しているのだそうです。


振り返ってみると確かに彼は描き終わって何かを言おうと必死でしたが、言葉になっていませんでした。

そう考えると合点がいく、いや待てよ、どうして彼はオイラがカメを描いてくれと頼んだことがわかったのか???
現地語でカメはトテルというが、オイラは下手をすれば日本語そのままで頼んだような気がします。

彼が砂絵を書いている間だけ、あの砂浜でオイラと彼はまったくふつうに会話していたのだ。

砂絵はアート面ばかりに目が行きがちですが、このように多部族多言語社会でお互いに言葉が通じなくても意思疎通ができるようにというのがもともとのところだったそうです。それをまさか自分で体現できるとは。今となってみると、どう考えても不思議な体験でした。

ちなみに、この砂絵、2003年に世界無形文化遺産に登録されたそうです。
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