ボディーの汚れ落とし [SONEX再生計画]
火災に遭ったギターの清掃は汚れ+臭いとの戦いです。
1980年製カスタムのボディーはザクリが弁当箱ではないのが災いして、汚れ落としが特にやり辛くなっています。
汚れ・変色には物理的なものと化学的なものがあり、煤やヤニのような物理的なものは手間をかければ落とすことができますが、熱や煙で変性してしまったものは諦めるしかありません。
また、臭気は相当しつこいです。4年以上経ってもまだ遠くにスモーキーマウンテンの生ごみのような不快な臭い(あくまでも個人のイメージで実際に行ったことはありません)が残っています。
こんな時は塗装を全部剥がして再塗装をすればいいのですが、私は火災の記憶も残したいのでオリジナル塗装にこだわっています。
で、今回は家にある使えそうなもの(コンパウンドから歯磨き粉まで)はすべて試して、この金属磨き、ブラッソが一番効果的でした。
普段は含まれている研磨剤のせいで塗膜に摺り傷ができるのでギターには絶対に使いません。
しかし、この研磨剤が今回に限ってはいい仕事をしてくれました。これ以上、研磨剤が効き過ぎると塗装が剥げてしまうというぎりぎりのところで使えました。
問題はこのケミカル自身もまた相当臭いことです(錆び落とし剤に似ている)。換気に注意しないと吐きそうになります。
で、集中してやってなんとか妥協できるところまできれいにすることができました。
オリジナルである白が出てしまったところもありますが、まずまずの出来です。ただ、TVイエローっぽい強い黄色がなくなってしまいました。それはちょっと残念です。
キャビティーの中は一週間くらいかけて、ブラッソと小さなウエスやら綿棒を駆使して、とりあえずきれいにすることが出来ました
フロントピックアップのところにある「謎の丸いもの=SONEXに見られる丸いステッカーあるいはその痕」もしっかり残すことが出来ました。この丸はこのギターがリフィニッシュされていないことの証でもあります。