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ピックについて [オーガニックピック]

ここで私の独断。ギターピックは本べっ甲が最高です。特にグリップに関しては申し分ありません。樹脂製のものとは吸い付き感がまるで違います。演奏中に汗ですべって吹っ飛ぶなんてこともありません。

しかし、本べっ甲も、出音、弾き味に関しては、ちょっと・・・。出費した金額に対して満足できる一枚に出会える確率はかなり低いと思います。

それは、一枚ごとにピックの性格が違うからです。三角ピックで三つの頂点の音が皆違うなんてこともあるくらいだし。これは野生生物素材の特性であり、均一な工業製品とは根本的に違っているのです。べっ甲ピックでも形や厚みは再現できますが、材の密度や切り出した部位からくる物性の違いまでは再現できません。だから、本べっ甲は一点ものなのです。

写真右がべっ甲柄セルピック(にせもの)、真中ハート型がタイマイピック(本べっ甲)、左の3枚がアオウミガメピック(朝日べっ甲)です。この中でどれが一番いいか?
tortshell.jpg
つまんでみていちばんしっくりするのはもちろん真中の本べっ甲。しかし、私にとって実際弾きやすいのは左3枚のうちの右下です。厚みや硬さが実にいい。ただし、これはポリッシュしていないのに感触だけはツルツルでグリップは最悪(本べっ甲は磨いて見かけまでツルツルになっているほうが滑りません)。アオはもともと薄いですし、これに磨きをかけるとさらに薄くなり実用になりません。それに生前の甲羅のカーブがかなり明瞭に出ています。まあ、どれも一長一短があるということ。

上写真のウミガメ鱗甲板のピックはすべて私が作ったものです。材料はとある海岸で拾ったもの。場所はここで明かすとワシントン条約違反容疑で逮捕されるのでご勘弁。少なくともこのために殺害されたカメのものではありませんのでご安心ください(地元の住民が食べて捨てた可能性は大)。

実を言いますと私は20代の頃、本業のほうでタイマイの研究や保護をしていました。ある海域にどれだけ親ガメがいるか2年半かけて調査し、人工孵化で育てた1万匹以上の子ガメを放流しました。だからべっ甲製品には特別の思い入れがあります。あの頃は本当に純粋な気持ちでやっていました。べっ甲がまた優れた水産資源として認知されるように・・・しかし、現在の学説からみるとやり方がまずかったと反省する部分も多く、今はウミガメからすっかり遠ざかっています。
Cimg0419.jpg

こういう、なんというか、ウェットな気分にならない、最新の樹脂製ピックから好みのものをピックしていくというのがドライで正しいんだろうなあ。




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コメント 4

サトリーズ

昔は愛用してた事もあるべっ甲ピックだけど。
今は硬さが好みじゃなくなったので使う事はないですな。
値段も、かなり高くなってしまっとるし。
因みに、昔使ってたのは今こうなってしまってるよ。
http://satories.blog.so-net.ne.jp/2009-01-02-1
もう捨てたけどね(^^;
by サトリーズ (2010-06-29 13:19) 

tiyo

すごいことになったのですね。べっ甲は樹脂と違いそれなりの手入れが必要っていうのも特徴のひとつ。

べっ甲じゃないけどリッチーモデル持ってます。2ミリくらいある軟質樹脂のやつ。ソロだととても使いやすいですね。
by tiyo (2010-06-29 14:20) 

ng503

べっ甲ピック・・・。
私が高校生の頃は、確か300円くらいで買えたような記憶があります。
買っとけば良かったなぁ・・・。(^^;)
by ng503 (2010-06-29 20:57) 

tiyo

ギター弾きなら渋い大人のブルーズを決めるときに一枚くらいは持っていてもいいかもしれませんね。
かく言う私もべっ甲は滅多に使いませんが。
by tiyo (2010-06-29 22:34) 

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